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住宅ローン金利の上昇 要因や分析

 

2023年8月31日、大手銀行は9月の住宅ローン金利を固定型において一斉に引き上げることを発表しました。

 

これは、日銀のYCC(イールドカーブ・コントロール)の運用柔軟化による影響を受けたものです。8月にも住宅ローン固定金利が上昇しており、今回の引き上げはその延長線上にあります。

 

長期金利の上昇が固定金利引き上げの主な要因です。固定型の住宅ローン金利は長期金利(国債金利)に連動しています。7月28日の金融政策決定会合で日銀がYCCの修正を発表したことが、今回の引き上げに反映されました。

 

大手銀行の10年固定金利を見てみると、三井住友銀行は0.20ポイント上昇し1%に達しました。他の大手行でも、三井住友信託銀行が0.15%上昇の1.30%、りそな銀行が0.18%上昇の1.57%に設定しました。短期金利と連動する変動型の基準金利は据え置かれたままです。

 

今回の動きについて、現役銀行員の旦直土さんは、大手行の戦略差が浮き彫りになっていると指摘しています。三菱UFJ銀行は金利競争に積極的で、他行と比べ金利上昇を抑制しています。一方、みずほ銀行は金利競争から距離を置き、高めの金利を設定しています。

 

長期金利の上昇は大手銀行の固定金利引き上げの主因ですが、今後の日銀の動向次第ではさらに金利が上昇する可能性があります。物価上昇率が3%を超え、賃上げが進めば、日銀は金利引き上げを行うかもしれません。また、急激な円安進行も金利引き上げの要因となり得ます。

 

このような状況下で、住宅ローンの固定金利は上昇傾向が続くと予想されます。しかし、マイナス金利政策の解除にはまだハードルがあり、短期金利は横ばいで推移する可能性が高いです。そのため、変動金利を選択する住宅購入者は多いままでしょう。

 

固定金利の上昇と変動金利の据え置きにより、金利差が広がっています。これにより、住宅ローンの金利上昇リスクが個人の家計に大きな影響を与える可能性があります。今後も大手銀行の動向を注視し、適切な金利選択を心掛けることが重要です。