銀行の貸し出し姿勢の予想
金利のある世界が迫る中、銀行の貸し出し姿勢に注目が集まっています。
大手金融機関が好調な決算を発表する一方で、地方銀行などでは苦戦が続いています。
この「二極化」の背景には、金利上昇局面における運用方針の差異や過去のマイナス金利政策の影響があると考えられます。
大手銀行は、世界的な金融政策の転換を見据え、外債を中心に有価証券のポジション圧縮や短期化を進めてきました。
その結果、前倒しで有価証券評価損の処理を行い、足元の業績に影響を与えています。
一方、地方銀行では大口貸出先の経営状況悪化が影響し、貸出の分散化が求められています。
金利上昇が銀行収益に与える影響は大きいです。
長期金利の上昇は債券価格の下落をもたらしますが、短期金利の上昇は預金スプレッド収益を高める可能性があります。
ただし、デジタルバンキングの普及や消費者の行動変化により、従来の預金金利モデルでは対抗しにくくなることが予想されます。
貸出戦略においても変化が見られるでしょう。
一般事業会社の資金需要が増加すれば、不動産向け貸出に対して慎重なスタンスが求められる可能性があります。
特に固定金利の長期貸出に関しては、変動金利への誘導が検討されることも考えられます。
今後、銀行の貸出姿勢は、預金者の行動や資金需要の動向により大きく影響を受けるでしょう。
金融機関はALM運営を強化し、全体としての金利リスクコントロールを行いながら、顧客ニーズに応じた柔軟な対応が求められます。